スポーツ障害について
スポーツ障害で知っておいてほしいこと
正しい症状の見極め・施術・リハビリテーションが一番大切です。
スポーツにおいて、ある程度の怪我は仕方のないことかもしれませんが、
怪我を負うと十分な練習ができなかったり、試合で全力を尽くすことができずに悔いが残ったり、悔しい思いをすることがあります。
通常は安静をとるよう言われますが、それで痛みがなくなったとしても、
また運動を再開すればすぐに再発を繰り返してしまうことになります。
再発を繰り返せば思うように競技ができず、悪循環の末に損傷部位が変性を起こし、その競技ができなくなってしまう恐れもあります。
一番大切なことは、自分の症状を正しく見極め、その競技をよく知っている先生を選び、
正しい施術・正しいリハビリテーションを受けることです。
ここでは、主な症状と原因の一部をご紹介します。
少しでも痛みや違和感がある場合はすぐにご来院ください。
スポーツ障害の主な原因「オーバーユース」
日頃の練習からオーバーユースは発生します。
繰り返し同じ動作を行う運動において、局所的に同一部分を使うことにより、その部位の筋収縮は何度も行われるため、代謝物質が蓄積して筋肉の疲労状態を招き、動きのパワーやコントロールが低下していく状態になります。
これが「オーバーユース」です。
その状態でスポーツを継続して行えば、スポーツ障害(肉離れ、脛骨疲労骨折、腱炎、軟骨損傷、腱の付着部の剥離骨折、捻挫、筋断裂など)を発症する可能性が高くなります。
オーバーユースを防ぐには
次の練習まで疲労を蓄積させた状態のままでいないように、【クールダウン】をしっかり行うことです。
急に運動をやめてしまうと、運動時に発生した疲労物質である乳酸などがじゅうぶんに除去できず、筋疲労が長く続きます。パフォーマンスを向上させるためには、強化(練習)とコンディショニングを共に行わなければなりません。
パフォーマンス練習は、良い神経状態で筋肉を収縮させ、感覚器官(反射)も十分に働くレベルの下で行うほうが、技能アップにつながりやすいのです。
スポーツ障害の主な症状
野球肘・野球肩
投球動作によって起こる肘の障害です。特に、小児に多く見られます。
骨や軟骨、靭帯、筋肉などが未発達なため、肘に負担がかかり、肘の内側の筋肉などを痛めてしまうことが原因と考えられます。
>肩の痛みについて詳しく見る
テニス肘
テニスのストロークを繰り返して行うことで肘が痛くなる障害です。
ボールがラケットに当たるときの衝撃が、手首を動かす筋肉の肘への付着部に繰り返し加わることによって、微小断裂や損傷を起こして発生するものと考えられます。
>肘の痛みについて詳しく見る
ジャンパー膝・オスグット膝
バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、陸上競技(ジャンプ選手)、サッカーのキック動作やダッシュなどの走る動作を繰り返したりするスポーツに多く見られる症状で、ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)ともいいます。
成長期に激しい運動を繰り返すと膝下部分の筋肉に炎症が起き、その負担が膝蓋骨周辺に蓄積するために起こる慢性・疲労性障害が考えられます。
>膝の痛みについて詳しく見る
突き指
スポーツ、特にボールを使った競技などで発生します。
指先に壁やボールなどが強くぶつかることで、指の靭帯・腱・関節・骨などを傷める怪我の総称です。
>手の痛みについて詳しく見る
怪我をしてしまったら
まず、何らかの怪我(ぶつけた、捻じった、伸ばした、転んだ、など)をすると、その損傷部分(筋肉・靭帯・腱・関節包などの軟部組織)の毛細血管から出血を起こし、炎症が発生します。これを腫脹(腫れ)といいます。
腫れには様々な出現の仕方があり、怪我をした直後から「ピンポン玉」のように腫れあがる場合もあれば、しばらくは運動を継続できるけれど、徐々に腫れが出てきて痛みを感じるようになり、運動ができなくなる場合などさまざまです。
応急処置のポイントは、とにかくどんな怪我であっても受傷直後(30分以内)に正しい処置をすることです。そして、腫れをどれだけ抑えることができるかがポイントとなります。
怪我をしたら必ずやるべき6つの処置【PRICES処置】
- P=保護(Protect)
- ・・・安全な場所に移動する
- R=安静(Rest)
- ・・・運動を中止し患部を安静にする
- I=冷却(Ice)
- ・・・氷のうなどで患部を冷やす(凍傷注意)
- C=圧迫(Compression)
- ・・・バンテージ、タオルなどで患部を圧迫する
- S=安定・固定(Stabilization/Support)
- ・・・なるべく患部を心臓より高い位置にする
- P=保護(Protect)
- ・・・タオル、三角巾などで患部を固定する
【PRICES処置】は6つの処置から成り立っており、これらの頭文字を使ってPRICES処置と呼ばれています。
スポーツ外傷を負ったときなど、この応急処置を病院やクリニックに行くまでの間に行うことで、怪我の程度を最小限に止め、早期治癒に繋げることができます。
この応急処置は部位・症状にもよりますが、PRICES処置の方法として『I冷却(Ice)』を15~20分ほど行い、40~60分程度のインターバルを置いて再度PRICES処置を行います。受傷後24時間~72時間の間はこの繰り返しを行う必要があります。専門医に受診してもらうタイミングは受傷当日もしくは翌日をおすすめします。
以前までは皆様がよく知っている応急処置としては【RICE処置】の4つが一般的でしたが、近年では”P”と”S”が追加されて【PRICES処置】となり、この6つが基本になってきております。